ひがぺー
ひがのウェブサイトです。2020-06-26
『海が聞こえる』の単行本
図書館から、氷室冴子『海が聞こえる』の単行本を借りたときのメモです。同作は自宅にもありますが、文庫本なのです。単行本にしかない氷室さんのあとがきをチェックするために、借りたのでした。
単行本あとがきは、本作の執筆について語ってくれていました。内容を要約すると、
- 氷室さんは、20代前半のうちに、ストーリの基本的な作り方を身につけた
- 結果、イメージを広げるより、話の流れに沿うお話の作り方を重視するようになった
- そのうち、こぢんまりとまとまった自分の話がつまらなくなった
- そこで本作では、イメージありきで書いてみた
- 書いているうちに自分の中で変化する感覚があり、忘れられない一作になった
所感
「プロット重視だった作者が、イメージありきでお話を作ってみたら、面白い一作ができた」。とても興味深いです。というのも、他の人からも同じような話を聞いたことがあるからです。たとえば岩明均さん(『寄生獣』の作者)ですとか。
プロット重視で伸び悩んでいた人あるあるなのでしょうか。
『海が聞こえる』初出は雑誌の連載です。ひょっとすると、それがイメージありきで書く一助になったのかもしれません。書き下ろしとは違ってお話が小分けになるぶん、終了までの長い道のりが意識の外に出やすくなって、心赴くままに書けたのかも。
それにしても、惚れ込んだお話が作者の転換点となったものだなんて、なんか嬉しいっすね。
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